こんにちは、里山移住者ブロガーのchayo(@bloggers_chayo)です。

chayoのお気に入り小説は、古内一絵さん著の夜食カフェの「マカン・マラン」シリーズ。

今回はシリーズ2冊目「女王さまの夜食カフェ」。こちらに出てくる料理と紹介をします。

各話の主人公の抱える悩みがとにかくリアリティーで、グイグイと本の世界にひき込まれちゃいます。

今回は第二話の裕紀の話が深くて面白かったし、第四話の柳田の話も家族とシャールが絡み合って、深い、深い。

読み終わった後に2人の友情にジーンとして、もらい泣きをしたら、クリームが目に入ってしみて大変でした(笑)。

尚、今回一番笑ったセリフは、柳田の心の声。

「さすがにあなたの目はごまかせないわね。親友って怖いわ」とシャールが言ったあと。

「いや、いかつい中年男がドレスを着てしなを作っているほうが断然怖い」。柳田さん、ナイスつっこみ!

「マカン・マラン」シリーズのあらすじ

商店街の路地裏で、夜中にひっそりと営業しているのが、夜食カフェの「マカン・マラン」。

店主はドラァグクイーン(派手な女装をする男性)のシャール。

昼間はド派手なドレスが並ぶファッション店だが、夜は夜食カフェ「マカン・マラン」になる。

悩みを抱えたお客が「マカン・マラン」と出会い、シャールの手料理と言葉に背中を押され、新しい一歩を踏み出すというストーリーが主。ちなみに妹分のジャダの話もあるよ(‘ω’)ノ

主人公は悩みを抱えるお客たちで、毎回変わります。その主人公の悩みも赤裸々で、リアリティー満載。

中には心がひねまくっている人もいます。でも、どんな人へも店主のシャールの言葉は心に響き、新しい一歩を踏み出すんですよね。

その一歩は、小さい。でもその小さい一歩が、それからの人生が大きく変わっていく。

 

シャールは病気もちで、第1巻の最後では成功率50%の手術に挑んだほど。

だからシャールの作る料理は、マクロビをアレンジした体に良い物ばかりです。

 

ドラァグクイーンの一例は、下写真のような姿。独特なメイクとドレスです。


出典:https://lgbt-life.com/topics/dragqueen/

マカン・マラン 女王さまの夜食カフェの各話のあらすじと料理

マカン・マラン 女王さまの夜食カフェは4話です。

第一話「蒸しケーキのトライフル」

主人公は、派遣会社で働く真奈。派遣されている職場はビルの地下にあり、単調な事務作業。

派遣社員のリーダーである美知佳がにらみをきかせていて、真奈はうんざりしつつも、美知佳とその取り巻きに嫌われないように、昼食も一緒に食べて、くだらない話にも相槌を打つ。

職場の隣の席で働く綾乃が結婚退職することになった。綾乃とはよく話しているのに、全く知らされてなかった真奈はショックを受ける。

「自分は何者でもなく、つまらない人。ただ周りに流されているだけ」と悶々としながら、綾乃の結婚祝いのプレゼントを買いに出かけ、そこでド派手な衣装を飾っているシャールの店を見つける。

ちなみに店の外から覗き込んでいたら、「あんた誰?」とジャダに怒鳴られてビックリし、派手にこけて、手当てをしてもらったのがジャダとの出会い(笑)

今回はジャダが手術後に退院してきたシャールのために蒸しケーキを作るが、みごとに失敗。うまく固まらなず、パサパサになってしまった。

その失敗蒸しケーキを、シャールが魔法をかけて素敵にアレンジ。

オレンジジュースに浸してコップの底に敷きつめ、ブルーベリーとクルミをパラパラ散らして、豆乳クリームを盛って、見事なパフェに仕上げたのです。

これはイギリスの家庭料理のトライフル。失敗したり古くなったりしたスポンジを食べるために、考案されたデザート。

ちなみにジャダが作った蒸しケーキは、シャール直伝。オレンジとラズベリーを練り込んでいて、豆乳とオレンジジュース、グレープシールドオイルで全粒粉を溶いているよ(‘ω’)ノ

こちらのレシピが、シャールさんのに近いかも。美味しそう~😋

豆乳クリームが登場するけど、市販の豆乳ホイップもある。また豆乳を調理して生クリームの代わりにしている人もいるよ。

他にも登場するケーク・サレは、野菜やハーブや豆をたっぷり入れて作る、甘くないお惣菜ケーキ。フランスが本場。

シャーレさんのレシピは、無調整豆乳にレモンソルト、メープルシロップとオリーブを入れて、刻んだオレガノやタイムも混ぜてます。蒸しケーキと同じく、蒸して作るよ(‘ω’)ノ

第二話「梅雨の晴れ間の竜田揚げ」

主人公は、漫画家のアシスタントで生計をたてながら、漫画家を目指している裕紀。

だが実家の老舗旅館を継いだ兄が急死し、突然、実家に戻ることになってしまいます。

実家の老舗旅館には、子供の頃から裕紀のいる場所はない。だが兄の死で落ち込む母を助けるように叔父に言われ、裕紀は迷いながらも東京を去ろうとするが…。

竜田揚げは、鶏肉ではなく、精進料理用に開発された大豆で作られたソイ・ミート。肉の代替品だけじゃなく、ソイ・ミートにしかない栄養素がたっぷり。

醤油とニンニクが効いていて、ご飯が欲しくなるお味。

こちらのレシピがシャールさんと同じ?鶏肉よりもヘルシーだし、chayoも作ってみようかな~。

ちなみにソイ・ミートは水でもどして、お肉の代わりに使います。ひき肉やフィレタイプとバラエティーも豊富(‘ω’)ノ

他に登場する料理は、桃入りの冷たい甘酒スープ。滑らかな白いスープに、薄紅色の桃の果肉が浮いている。

甘酒はもともと夏バテ防止に飲まれていたもので、体に良いよ(‘ω’)ノ

あとサヤ付きそら豆、アスパラガス、ピーマンは、オリーブオイルと塩コショウを振って、鉄鍋に焼いたもの。

chayo家は家庭菜園でそら豆もアスパラもピーマンも育てているから、今度、収穫したての新鮮野菜でやってみます!

第三話「秋の夜長のトルコライス」

主人公は、タワーマンションに暮らす主婦の未央。一人息子の小学1年生の圭は、発達が境界線上にいる。

圭の成長のために、未央は毎日、脳に良い食事をひたすら作って奮闘している。

だが夏休みが終わってから、圭は授業中に立ち上がって騒いだり、歌って踊ったりと、授業を妨害するまでにエスカレート。

未央が禁止しているのに、下校時には覗き見たガラの悪いおかまのマネまでする始末。

だが未央が厳しく注意したことで、圭が心を閉ざし、家出まで!どんどん圭との距離が広がってしまう。

すっかり疲れてしまった未央に手を差し伸べたのは、覗き見を禁止したお店の店主シャールだった…。

今回はいつもの料理と違います。シャールはふだんは動物性の食品を控えているが、ときどき無性に食べたくなり、そういう時は我慢せずに食べます。

今回の料理がまさにソレで、トルコライス!大人のお子様ランチで、トンカツだけは自宅で揚げたもの。でも他はスーパーのお惣菜で買ってきたピラフとナポリタンだよ。

ちなみにトルコライスは、長崎県のご当地グルメ。豚カツ、プラフ、スパゲティーが一つの皿に載っているのが基本とのこと(‘ω’)ノ

また「トルコ」の名があるけど、本場のトルコでにはこの料理はない。それにそもそもトルコはイスラム圏だから豚肉を食べない。有名なケバブは、ラム肉(羊のお肉)だしね。

 

尚、シャールさんがトルコライスにかけた絶品ソースは、シャールさんの手づくり。

玉ねぎ、にんじん、セロリ、ニンニクをじっくり炒めて、昆布にシナモン、ナツメグ、クミン、カルダモンといった香辛料やハーブを加えて、2カ月かけて熟成したもの。

上の挿絵のホットケーキは、未央と圭の和解のお味です(*’ω’*)

第四話「冬至の七種うどん」

主人公はシャールの中学校の同級生で、中学校で教員&学年主任をしている柳田。

悩みは一人娘の真紀。高校2年生で、文系に進んだのに、秋の今頃になって急に理系に「転理」したいと言い出したのだ。

旅行で行ったハワイで、イルカの保護センターを見学したのをキッカケに、真紀の夢はイルカの研究者に!

夢を叶えるために、志望校を公立の英文科から私立の海洋学部生物課に変更したのだ。

ここで柳田は理系だが、真紀はどうみても文系。理系の科目は苦手なのに、語学や国語に秀でている。

真紀の将来を思ってこそ、柳田はきっぱりと理転を拒む。だが真紀は認めてもらおうと必死。更に妻の孝子も、柳田を説得しようとするが…。

 

しかもこの頃、シャールの身にも異変が。ドラバァクイーンになったことに激怒して勘当した父親が、病気で入院して、危ういのだ。

しかも父親は認知症を患い、ドラバァクイーンになった頃の記憶がすっぽり抜けている。

つまり父親の中で、シャールは今でも、ドラバァクイーンになる前の証券会社でバリバリ働いていたエリートだった頃。

だからシャールは、その頃と同じようにスーツをビシッと着込み(男装)、父を見舞っている。

真実を告げずに、父親を見送ることになりそうだと、シャールは寂しそうに微笑むが…。

シャールのお店で冬至の日に食べたのが、冬至の七種(ななくさ)を全て入れた「七種うどん」。

冬至の七種の食材は、にんじん、レンコン、ギンナン、カンテン、キンカン、ナンキン(南瓜)、うどん(ウンドン)の計7つ。全部に「ん」が2回入っているよ。

冬至は1年で最も日が短く、「一陽来復(いちようらいふく)。陰極まりて、陽に帰る」。

一度終わりきったものが再生する日で、冬至を境に運も上昇するとされている。

だから「ん=運」を重なることで、運が良くなるという縁起担ぎデス。

愛犬

2019年の冬至は、12月22日(日曜日)だよ。冬至といえば、ゆず風呂も有名だよね

他に登場した料理は、ハト麦粉とモチキビで作ったチジミ。タレは黒酢と、葛醤油ソースをお好みで。

こちらの料理は、まさにシャールさんのチジミ!?詳しいレシピはこちら。写真はリンク先の写真です(*^-^*)

他は、モチアワソースをベースに、ストック昆布でスープにした冬野菜の和風スープ。玉ねぎ、ジャガイモ、ニンジン、カボチャなどの野菜がたっぷりだよ。

また真奈が作った玄人並みのパンの付け合わせには、茹でたカリフラワーと松の実とアンチョビのディップ、アボカドのアイオリソース。トロトロになるまでに蒸し焼きしたニンニクを豆乳バターと混ぜたもの。

他にも蕎麦の実のミネストローネ、赤玉ねぎとジャガ芋のサラダ😋

マカン・マランの参考文献

  • 美人のレシピ マクロビオティック雑穀編
  • マクロビオティックの蒸しパウンドケーキ&焼きパウンドケーキ—野菜と果物でつくる、スイーツとェーク・サレ
  • 「心の声」を聴いてみよう!発達障害の子どもと親の心が軽くなる本
  • 発達障害の改善と予防:家庭ですべきこと、してはいけないこと
  • 子どものADHD 早く気づいて親子がラクになる本
  • ぼくが発達障害だからできたこと

女王さまの夜食カフェ マカン・マランふたたびの感想

前回の第一弾よりも、2回目は料理がパワーアップ。料理の描写が増えて、食いしん坊のchayoは思わず食べたくなっちゃいます( *´艸`)

シャールのうんちくも盛りだくさんで、健康を意識するメニューがいっぱい。

実践できるものは、なるべく取り入れたいな~と思いつつも、全部はできないから、ちょっとだけでもね。

ってことで、今までスーパーで買ったピザまんを電子レンジでチンしてた。

でも「蒸す」は、陽でも陰でも体を中庸に導いてくれる、体に良い調理法と知って、蒸し器であっためて食べるように。

でもまぁ、シャールさんなら、そもそもピザまん食べないだろうけどね(笑)

 

話を戻して、chayoは今回のふたたびの中で、第二話の裕紀の話が一番好き。

尊敬するけど、心のどこかで嫌いでもある兄。その兄と、兄ばかりを可愛がる母親。「家族って難しいな~」って、本当に思うよ。

それにしても母は幼い裕紀を放って、女将修行に没頭。でも兄嫁は女将修行をせずに、子育てに専念。時代っちゃ時代だけど、難しいもんですね。

尚、最後の最後に分かった兄嫁には、びっくりしたよ。深くて感動するいい話です(*^-^*)

 

第三話では、シャールさんも食事に手を抜いたりと、息抜きをするのにビックリしつつも、「そうだよね~」と妙に納得。

たまに無理しないからこそ、普段がちゃんとできるんですよね。

ちなみにchayo娘もグレーゾーンだからこそ、未央の気持ちは分かる。分かるからこそ、気を付けようと思いました。

「子供のために!」ばかりで押し付けすぎちゃうと、一番大事なはずの「子供の気持ち」を忘れちゃうからね。

それにしても小学生の子供を1人前の「人」として対応するシャールさん、素敵です。

次の第3作目の話はこちら。料理がさらにパワーアップ。マカン・マランの常連客の久佐子さんの話もあるよ(‘ω’)ノ

マカン・マロンの第一巻は、こちら。

第四巻でおしまい。